(出典 i.japan-baseball.jp)
■中田翔インタビュー
日に日に迫るWBCに照準を合わせながら、その先にはプロ10年目のシーズンが待っている。順調なら国内FA権を取得するなど、2017年は中田翔の野球人生において大きな節目のシーズンとなる。だが、中田の心は揺れていた。
「難しいよね、難しすぎる。シーズンの準備だけなら、この時期にこんなに振らないし、もっとゆっくり調整しているから。正直……ものすごく不安。WBCを戦ったあとのレギュラーシーズンに対する不安が、今はかなり大きいですね」
中田翔という男は、おそらく世間で知られている印象とは違い、非常に繊細な一面を持っている。”怪物”と評されていた大阪桐蔭時代、3年の春先からバッティングに悩み「もうホームランは打てないかも……」と大真面目に口にしていたことがあった。また、ドラフト前にも「指名がなかった夢を見た。本当にかからなかったら、どうしたらいいんですかね」と、やはり真剣な表情で語っていた。
こうした人間臭さも中田の魅力であり、多くのファンを引きつける理由なのだが、日本代表の中軸として、そして連覇を狙う日本ハムの4番として、今の中田はもがいていた。
「(WBCに出場する)どの選手も悩んでいると思うけど、シーズンへの気持ちの持っていき方がホント難しい」
前回の第3回WBCでも中田は日本代表として戦ったが、「WBCもシーズンもうまくいった人っていた?」とつぶやき、こう続けた。
「前回のときは、阿部(慎之助)さん、長野(久義)さん、坂本(勇人)さんがシーズンで苦しんでたよね。あれだけの舞台で戦ったら、やっぱり燃え尽きて……そこからもう1回だから。特に前回は準決勝で負けてしまって、とにかくガクッとなってしまった。オレみたいな立場の選手でもそこまでなったんだから。だってあのとき、オレは最年少だよ。それであそこまでなるんだから、今回終わってどうなるのか……」
今や日本代表の常連となり、前回とは立場も大きく違う。それだけに、中田にのしかかる重圧は4年前とは比べものにならない。
「こう見えて、いろいろ気を遣うタイプやから(笑)。もちろん日本代表に選んでいただいたからには、結果で応えたいし、小久保(裕紀)監督を喜ばせたい。それは当たり前に思っている。その上で、そのあとに始まるシーズン。今年は意地でも結果を残したい。WBCで頑張りました、でもシーズンでは数字が上がらない。絶対にそうはなりたくない」
「そのへんの高校生が打っていた方が飛ばしていたと思う」と笑ったキャンプ第1クールは、バッティングの感覚を取り戻すために時間を過ごした。そして第2クールでは快打を連発。フリーバッティングの打球も気持ちよさそうに飛び始め、「しっかり体をつくってきたから違ったね」と手応えを口にした。
このオフ、中田はハワイでトレーナーのケビン山崎氏と徹底した肉体改造を行ない、戦いに備えた。体重は昨シーズンより8キロ落とすなど、ひと目でシルエットの違いがわかるほどだ。
「単に体重を落としただけじゃなく、鍛えて落としたからね。その鍛え方も、今までと違うことにチャレンジして、体幹、股関節、骨盤を徹底的に意識した。よくバッティングで『軸回転でコマのように回りましょう』って言うけど、じゃあ、どうしたら回転力を上げられるのか。体のどこを鍛えて、どう使えばいいのか。トレーナーとしっかり話をして、一から考えてやってきたからね」
アリゾナの一軍キャンプには帯同せず、沖縄・国頭村での二軍キャンプでスタートしたのも、徹底した振り込みを行なうためだ。それはつまり、WBC仕様の調整を悔いなく行なうための選択だった。
「体重が落ちただけなら、去年よりも飛距離は落ちる。でも、体重が落ちた分、回転力を上げることでカバーする。その結果、トータルで飛距離が去年以上になるかどうか。感じはいいよ」
話を聞きながら、これまで以上の中田と出会えるのではないか、という期待が膨らんできた。WBCでの打席を考えても、スイングスピードや反応がアップすれば、飛距離増への期待はもちろん、動くボールへの対応力も増すのではないだろうか。ただ、本人の見立ては慎重だ。
「WBCに関していえば、『これだけやったから結果が出ます』という世界じゃない。あそこに出る選手は、みんなWBCに照準を合わせて万全の準備をしてきているわけで、そこでぶつかって結果が出るのか出ないのか。あの舞台は『気持ちで打てました』というレベルでもないと思っているし……。ただ、準備をやるだけやっておかないと勝負にならないから。だからやるんだけどね」
WBC
【野球】中国にも苦戦 侍J、WBC予選敗退悪夢シナリオの現実味?
野球の日本代表・侍ジャパンはWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でベスト4を下回る成績に終わったことはない。ところが、3月に開幕を控えている今回、投打の軸と期待された大谷翔平(22)の欠場など、小久保裕紀監督(45)率いる侍ジャパンの行く末が危ぶまれている。本来なら、北中米の強豪とぶつかる米国・ロサンゼルスでの準決勝以上(3月20~22日)が一番の勝負どころとなるはずだ。
しかし、大谷翔平(22、日本ハム)のいない侍ジャパンでは、“予選”ともいえる、東京での1次ラウンド(3月7~11日)、2次ラウンド(3月12~16日)での敗退もあるとみる専門家も少なくない。
プロ野球データに詳しいジャーナリスト・広尾晃氏の指摘は手厳しい。
「1次ラウンドでぶつかるキューバの野球シーズンは秋から春まで。今回はWBCのため国内のシーズンを中断して来日してきます。バットは振れるし、肩は出来上がっている。開幕前の日本選手と違ってキューバの戦力はピークにある。また、キューバの翌日に当たるオーストラリアも侮れません。南半球の国ですからシーズン真っ只中で、調整遅れの心配はない」
“アマチュア最強軍団”キューバはこれまでも強敵ではあったが、さらに今回の侍ジャパンは、“野球後進国”と思われてきた中国にも苦戦する可能性があるという。
「同じ1次ラウンドのプールBに入った中国は、今回MLBマリナーズを率いてきたマクラーレン監督が代表監督に就任。MLB通算82勝左腕のブルース・チェン(元ロイヤルズ)と、カージナルスの正捕手を務めるコルテン・ウォン、他にも現役メジャーリーガーが名を連ねる“史上最強”のメンバーです」(同前)
そうした1次ラウンドの相手を破ったとしても、2次ラウンドでは、一昨年のプレミア12で優勝した宿敵・韓国が待ち受ける。MLBでプレーしているメンバーはストッパーの呉昇桓(オスンファン、カージナルス、元阪神)だけとはいえ、日本が相手となると実力以上の力を発揮するのは誰もが知るところだ。
“予選敗退”という悪夢のシナリオには、十分に現実味があるとみられているのだ。
あまり指摘されていないことだが、打者・大谷の不在も大きい。
「昨年秋の侍ジャパン強化試合で分かったことは、大谷以外の選手はみな一様にWBC使用球に悪戦苦闘していたということなんです。日本のプロ野球公式球はバットの芯を外しても飛ぶんですが、WBC球はそうはいかない。それを大谷は苦にせず、衝撃的な東京ドームの天井直撃弾(記録は二塁打)などで世界の度肝を抜きました。
大谷の二刀流を存分に活かすため、小久保監督ではなく、日本ハムの栗山英樹・監督(55)に指揮を執ってもらうべきだという意見まで出たくらいです」(NPB関係者)
そうした証言からは、小久保監督への“不信”も浮き彫りになる。日本ハム側が欠場の判断をするギリギリまで代表チーム側と情報共有していなかったことも、小久保ジャパンの求心力のなさを示しているといえよう。
「一昨年のプレミア12の準決勝で韓国相手に屈辱の逆転負けを喫したゲームに象徴される統率力のなさがチームの最大の不安要素です。あの試合も、則本昴大(26、楽天)を中継ぎに使い、調子の上がらなかった松井裕樹(21、楽天)の抑えにこだわった末の大量失点でした。これ以降、監督経験がなかった小久保監督の采配が疑問視され続けている」(NPB担当記者)
このような背景があったからこそ、“大谷で勝負するなら、勝っても負けても誰も文句はいわないだろう”という志向でのチームづくりが進み、欠場による今の窮地が生まれているのではないか。
※週刊ポスト2017年2月24日号
NEWS ポストセブン 2/15(水) 16:00配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170215-00000015-pseven-spo&p=1
(出典 www.jtb.co.jp)
WBC各国なぜ“強豪化“?侍ジャパン、決勝ラウンド進出なら合格だ!
日本時間の2月9日、WBCの公式Twitterにて、予備登録選手を含めた全選手が発表された。
いよいよ2017年のWBC第4回大会が本格スタート。各国がメンバーを揃えた今大会はかつてないほどのレベルの高い大会になると予想される。
■米国の本気度に驚き
3月に開幕するワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)に出場する選手登録が締め切られた。
昨年秋からこれまでの間にビッグネームが参戦表明をするなど報道を通して目にしてきたが、ようやく、その顔ぶれが明らかになった。
メンバー表を見て私が驚いたのは、やはりアメリカ代表だ。
早々に参戦を表明していたマックス・シャーザーはケガによる辞退となったが、投手陣は2年連続200イニング登板のクリス・アーチャー(レイズ)を筆頭に4人のスターターを揃える。
中継ぎ陣も豊富で、昨年のワールドシリーズにも出場したインディアンスのアンドリュー・ミラーや昨季38セーブのサム・ダイソン(レンジャーズ)、161キロを投げるネイト・ジョーンズ(ホワイトソックス)など豪華絢爛な印象だ。
打線も2年連続二冠のノーラン・アレナド、イアン・キンスラー、2大会連続出場のアダム・ジョーンズ(オリオールズ)、遊撃手には2年連続ゴールドグラブ賞のブランドン・クロフォード(ジャイアンツ)、捕手にはバスター・ポージー(ジャイアンツ)とオールスター級の選手が名を連ねている。
中南米各国は過去大会も積極的なメンバーを揃えていたので、前回覇者のドミニカ共和国や初制覇の期待がかかるベネズエラ代表が豪華なメンバー構成であることに大きな驚きはない。
ドミニカ共和国はディフェンディングチャンピオンとして、負けられない気持ちで今大会に挑んでくるだろう。
その中でのアメリカ代表の本気度には驚くが、昨年秋からの報道や流れを見ていると、こうなる可能性は感じていた。
例えば、ケガで最終的に辞退することになったが、マックス・シャーザーが昨年秋の早い段階で参戦を表明していた。
エース級の投手がここまでの意気込みを見せることは、かつてはあまりなく、アメリカが本気になっていると感じている。
■侍ジャパンは決勝ラウンドに進めたら合格
こういった背景には、一昨年に開催された「プレミア12」の存在があるのではないか。WBCは、もともとMLB主導でやっていた。
そうではない形の大会が必要だとたくさんの国が協力して、もうひとつの世界大会『プレミア12』を開催した。
そのことによって『世界一を決める大会』がWBCだけではなくなってしまった。それを受けて、WBCの開催側も対策を練ったのではないか。
第4回大会に関しては、全面協力とは言わないまでも、水面下でMLB球団への協力を要請した可能性はある。
明確な証拠が明らかになっているわけではないが、WBCを本当の意味でも世界一の大会にしたいとMLB側が望んだのだとすれば、今大会は相当ハイレベルな戦いになる。
そうした状況は、「世界一奪還」を掲げる侍JAPANにとっては手放しで喜べるわけではない。世界各国が「強豪国化」してきたことで、かなり厳しい戦いを強いられることになるはずだ。
ご存知のように日本はメジャー組が野手の青木宣親(アストロズ)を除いて欠場が決まった。日本の大黒柱として期待された大谷翔平も故障で辞退。
ファンの方々に怒られるかもしれないが、決勝ラウンドが開催されるロサンゼルスのスタジアムに侍JAPANが進めば、よくやった。今回は「合格」と言えるのではないか。
それくらい厳しい大会になるはずだ。
第1ラウンドは日本とキューバが勝ち上がるだろう。
第2ラウンドは韓国ラウンドからどのチームが進出してくるかは分からないが、もしオランダが出てくるとすれば、バンデンハーク(ソフトバンク)がいる。
彼を打ち崩すのは簡単ではなく、苦戦することも十分にあり得る。
日本にとって大谷の離脱は戦力的に痛手ではあるが、そこを嘆いても何かが変わるわけではない。『大谷がいないから期待できないとか言いやがって』と選手たちが奮起する材料になる可能性はある。
たしかに相手国は強力メンバーだが、それだけ戦い甲斐があるとも言える。チーム一丸となり、1つひとつの試合を粘り強く戦ってくれることに期待したい。
小宮山悟(こみやま・さとる)
ベースボールチャンネル 2/14(火) 11:00
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170214-00010001-baseballc-base&p=1
(出典 mainichi.jp)
【WBC】武田・石川・千賀・藤浪の中で先発にすべきなのは?
【朗報】藤浪晋太郎、「二刀流」ではなく「二“投”流」で頑張る意気込み
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170214-00000078-spnannex-base
「二刀流」の大谷はいなくなっても「二“投”流」の藤浪がいる。侍ジャパンの小久保監督、権藤投手コーチが訪れ「御前試合」となったDeNA戦。
3回から2番手で登板し、イメージを一新する投球を見せた。最初の打者・関根への初球からいきなりカットボール。
その後もツーシームやカーブを多投し、WBC球では変化球主体の技巧派のような組み立てで2回を完全に抑えた。
(中略)
「緩い変化球も使ったし、本当にいい登板だったと思う」と収穫十分の表情。
「二投流」に変身した右腕が、同い年の「二刀流」の分まで世界一に貢献する意気込みだ。 (山添 晴治)